研究開発

平成23年度研究概要

未利用バイオマスの資源有効利用 (第2報)

著者
今西祐志、伊藤国億
概要
繊維状木粉を原料として木材・プラスチック複合材の押出成形を行い、押出成形時の挙動、曲げ特性に対する木粉割合及びスクリュ回転速度の影響を検討した。押出成形においては擬塑性流体の特徴が確認され、木粉割合70%の場合に圧力が最大となる特徴的な挙動が確認された。曲げ特性については、弾性率及び曲げ強度は木粉割合70%までは増加する一方、靱性は木粉割合が大きいほど低下する可能性が示唆された。繊維状木粉の配向による異方性はとくに弾性率と曲げ強度で顕著に現れており、木粉割合が小さいほど強い異方性が確認された。
予算区分
プロジェクト研究
研究報告書
研究報告書

遮音・通気性能を有する木製ドアの開発(第3報)

著者
木村公久
概要
前年度の実験結果から通気性の確保が期待できる通気路形状である「一の字」型を基に、低い周波数帯域における遮音性の向上を図るため、表面材の素材および組合せの検討を行い、試作した供試体による通気ならびに遮音性能評価を行った。全周波数帯域において遮音性が良好だと思われる表面材の組合せは、MDF2.5t+ハードボード3.5t+制振シート1.5tの組合せであり、音響透過損失は500Hz-14.8dB、1kHz-15.2dB、2kHz-23.2dB、4kHz-38.2dBであった。一般的にフラッシュドアの表面材として用いられているMDF2.5tの供試体と比較すると、500Hzで4.1dBの遮音性の向上がみられたが、寸法安定性および加工性を考慮して芯材の一部にスギを用いたことにより、2kHz以下において遮音等級T-1を下回る結果となった。
予算区分
地域密着型研究課題
研究報告書
研究報告書

木材・木質材料の高機能化に関する研究(第2報)

著者
三井勝也
概要
天然物を積極的に用いた木材の耐候性向上を目指し、無水酢酸とオレイン酸を用いた混合無水物処理を木材に適用し、その耐候性について検討した。無水酢酸とオレイン酸の混合モル比が1:1の場合は、処理温度および処理時間の増加とともに重量増加率は上昇したが、混合モル比が1:2以上では処理条件にともなう重量増加率に有意な差はみられなかった。降雨ありの耐候試験の場合、すべての試験片において、ΔE*は耐候試験初期で上昇した後低下し、その後、再び上昇した。これは、耐候試験初期では黄変が生じるものの、その後、白化が引き起こされるためであると考えられた。重量増加率が4%程度以上であれば、降雨ありの耐候試験初期ではアセチル化木材よりも高耐候性を示した。
予算区分
地域密着型研究課題
研究報告書
研究報告書

木材の曲げ成型加工における不良現象の低減化に関する研究

著者
石原智佳、長谷川良一
概要
飛騨家具には昔から匠の技である「曲げ木」が特徴的に取り入れられてきた。家具用部材の曲げ成型加工に適した樹種として良質なブナやナラが多用されてきた。しかし近年の材料不足やデザインの多様化を背景に、外国産材であるレッドオークやチェリー、ウォールナット等も用いられるようになった。その結果、ブナやナラでは見られなかった「不良現象」が課題となってきた。不良現象として、曲げ側に出るシワや座屈などが挙げられる。また、幅はぎ接着した集成材も背板・座板・肘等の部材として曲げ加工されて使われているが、接着層での目切れも課題となっている。本研究では、これらの不良現象を低減化するための検討を行った。その結果下記のことが明らかになった。1)レッドオークの曲げでは浅いシワが頻発し、チェリーとウォールナットでは木目や節のせいでねじれや座屈が多く生じた。曲げ半径が大きい部材には利用できるが、それ以外には不向きであることから、さらなる検討を要する。 2)樹種や材密度により水分吸湿量に差があり、曲げ加工前の処理として浸水の有効性が認められた。 3)幅はぎ接着した板に関しては、接着後の養生環境やその期間を適切に管理する必要性が認められた。
予算区分
地域密着型研究課題
研究報告書
研究報告書

木質住環境が人体に与える影響に関する研究(第2報)

著者
伊藤国億、藤巻吾朗
概要
先に実験で使用した木質空間の臭気をにおい袋に採取し、におい袋中の臭気が人に与える影響を主観的に評価した。その結果、臭気強度と快不快度(r=0.43)に相関関係が認められ、α-ピネンを主成分とする臭気の強さが快適感を向上させる傾向があった。しかし、α-ピネン濃度が高いほど快不快度の評価のばらつきが大きい傾向がみられた。今回の実験で調整した臭気では被験者はα-ピネンの香りの強さを感じ、α-ピネンの香りの強さが大きいほどその香りに対する好みの差も大きくなる傾向があると考えられた。
予算区分
地域密着型研究課題
研究報告書
研究報告書

座位姿勢における人体形状測定システムの開発

著者
藤巻吾朗、石郷祐介、成瀬哲哉、宮川成門、窪田直樹
概要
座位姿勢での人体形状を記録する測定システムを試作した。Kinectセンサの導入により、従来の三次元形状測定装置と比較して安価であり、従来測定ができなかった座位姿勢での臀部およびその周辺の形状が測定可能となったが、従来装置と比較し、測定精度が劣っていた。着座時の人体形状の測定条件として、外力の影響が小さい空気いすが考えられたが、被験者への負担、筋緊張による姿勢や形状への影響、転倒の危険性等を考慮し、座面に張った伸縮性の高い素材に着座してもらい、その裏面から形状の測定する方法を選択し、座面張生地の選定を行った。測定システムの開発により、計測者間の測定誤差が小さく、被験者への負担を抑え、短時間での測定が可能となった。今後の課題として、測定精度の向上やデータ処理の効率化、形状のモデル化に必要な身体の特徴点の選定と抽出方法の検討が挙げられた。
予算区分
重点研究課題
研究報告書
研究報告書

家具販売支援システムの研究開発(第1報)

著者
成瀬哲哉、石郷祐介、窪田直樹
概要
サービスの現場となる家具ショールームで、ユーザーに製品情報など有益な情報を提供し客観的なユーザーニーズを取得することが可能な製品情報提示アプリケーション開発を行い、ニーズの取得・分析を行った。実証実験の分析結果から木製椅子に関するニーズ・興味は性別・年齢で分類可能であり、各ターゲットに対して製品の提案することが効果的であると類推された。また開発したアプリケーションは、ショールーム等で情報を提示し、かつニーズを取得することが十分可能であることが実証されたと考えられる。
予算区分
重点研究課題
研究報告書
研究報告書

家具販売支援システムの研究開発(第2報)

著者
窪田直樹、成瀬哲哉
概要
木製椅子の販売手法の一つとして、顧客の部屋の写真と、販売店側の椅子のデータを合成し、部屋に椅子を置いたときの予想図を顧客に提示する手法を提案する。部屋の写真から3Dモデルを作成する「インタラクティブ3次元室内モデラ1)」を産業技術総合研究所が開発しており、本研究では椅子の3Dデータ化と、プレゼンテーション部分の開発を行う。今年度は、家具の3D化に用いるモデリングソフト「insight3d」に、汎用3DデータフォーマットであるCOLLADAへの出力機能を実装した。また、「インタラクティブ3次元室内モデラ」のデータをCOLLADAに変換するプログラムも開発し、両者のデータを合成した。
予算区分
重点研究課題
研究報告書
研究報告書

骨盤および腰部角度調整椅子の開発

著者
宮川成門、藤巻吾朗
概要
加齢による姿勢の変化のため、一般椅子の設計に身体が合わない方をモデルとし、身体形状に沿うように骨盤部と腰部の角度調整ができる椅子を開発した。試作品は、モデルとなる高齢者の座位姿勢を測定し、座面、骨盤部、腰部の寸法を設定した。また、角度調整にはリクライニング椅子用パーツの6°ピッチギアを用いた。モデル高齢者が試作品を用いたところ、一般椅子による姿勢に比べ、安定した座位が可能となった。
予算区分
地域密着型研究課題
研究報告書
研究報告書

弦楽器演奏用自助具の開発

著者
宮川成門
概要
弦楽器の演奏グループに参加している頸髄損傷ユーザーの依頼を受け、腕の力を利用することで、指先の力がなくてもコードが押さえられ、曲の演奏を可能とする自助具を開発した。開発した自助具は、ネック部分に添えるように加工したパーツを手のひらに装着するもので、肩の力と「てこ」のしくみで金具部分が弦を押さえるようになっている。義肢装具業者も開発に加わることで、長時間の装着性や着脱のしやすさにも配慮した。
予算区分
文部科学省 地域イノベーションクラスタープログラム(都市エリア型)
研究報告書
研究報告書

PDF Reader

PDF形式のファイルをご覧になるには、Adobe Reader等が必要です。

Get ADOBE Reader