研究開発

平成20年度研究概要

人間・生活者視点による人にやさしい製品開発(第4報) 身体にかかる力と不快感

著者
藤巻吾朗
概要
椅子に座った時の身体にかかる力と不快感の関係を把握するための調査を行った。調査結果より、不快の感覚が検知できるかできないかの力は人や接触面積により異なるが、不快を感じる力の身体の部位間での相対的な関係は、人や接触面積に関わらず同様の傾向を示した。また、坐骨結節部において不快を感じる力と体格(BMI)との間に関連性が見られたことから、座る人の身長、体重からどの程度の力で不快を感じるかの推測が可能であると考えられた。ここで得られた知見は体圧分布の評価にも応用が可能と考えられ、従来は圧力を均等に分布させることに主眼が置かれていたのに対し、体格に応じた圧力の上限値を身体の部位ごとに提案することが可能となると考えられた。複合感覚である不快感について、ウェーバーの法則が成り立つと仮定した場合、実験結果より求めたウェーバー比は約0.26であった。
研究報告書
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人間・生活者視点による人にやさしい製品開発(第5報) ソファの設計指針に関する研究(1)

著者
成瀬哲哉、藤巻吾朗
概要
ソファは一般的なダイニングチェア・休息用椅子と比較してウレタンフォームやバネといった多種多様な弾性素材により構成され、着座時には大きく変形して人体を支えるといった特徴がある。そのため、外形寸法や形状だけでなく弾性素材の特性を加味した設計指針の導出が不可欠である。そこで本研究では、ソファの角度条件、ソファに使用されるウレタンフォームの組み合わせ、着座姿勢に着目し、被験者に平板椅子(角度条件評価用)、基準ソファ(比較用)、修正ソファ(ソファに適したウレタンフォームの組み合わせ・構成を選択)の3種類の椅子・ソファに関して座り心地評価実験を行い、ソファの設計指針に関する知見の導出を目指した。その結果、「ソファの角度条件として、休息用椅子の設計指針が活用可能であること」「被験者が好むウレタンフォームの構成は、背面は1種類、座面は3種類の傾向があると考えられること」「基準ソファと比較して沈み込みが少なく、座面側で体を支えるようなウレタンフォームの組み合わせを好む傾向があること」がわかった
研究報告書
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資源循環利用を考慮した木質部材に関する研究(第2報) カッターミルにより調整された木粉の特性評価

著者
今西祐志、伊藤国億
概要
木材・プラスチック複合材の物性を左右する因子の一つとして、原料である木粉の形状特性に着目し、その評価を試みた。樹種及び粉砕時含水率を様々に変えてカッターミルによる粉砕を行い、網篩法による粒度分布測定、粒子画像の解析によるアスペクト比分布測定を行った。その結果、粉砕用木材の含水率が大きいほど粒径分布の重量50%径が大きくなる傾向が見られ、また、アスペクト比分布については樹種や粉砕時含水率により異なった傾向が見られることが把握できた。
研究報告書
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混合無水物による木材の耐光性向上

著者
三井勝也
概要
本研究では、無処理木材および光熱着色木材に混合無水物処理(C2-Cn処理)を導入し、その耐光性について検討した。無処理木材において、C2-Cn処理にともなう材色変化についてはΔE*が概ね5程度であることから、外観を損ねることはないと考えられた。C2-Cn処理後に光照射すると、すべての処理材においてΔL*が上昇した。
光熱着色木材へのC2-Cn処理の導入については、その導入時を3タイプ(光熱処理後、光照射と熱処理の間、光熱処理前)に分け検討した。光照射後にC2-Cn処理を導入した場合は、その耐光性はC2-Cn処理を導入しなかったものより低下した。光照射と熱処理の間にC2-Cn処理を行った場合は、光熱処理による着色効果が得られなかった。光熱処理前にC2-Cn処理を導入した場合は、C2-Cn処理を行わないものと同程度の光熱着色効果が得られるが、耐光性についても同程度しか得られなかった。これらの結果から、アセチル化やエステル化は耐光性を向上するものではなく、その後の光照射を伴うことによって、光漂白作用を引き起こすものであると考えられた。
研究報告書
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高強度かつ軽量な木質材料の開発

著者
伊藤国億、今西祐志
概要
ハンドレイアップ法-ホットプレス成形において、各強化材のうち、ロービングクロスが最適な強化材であった。また、繊維配向性を有する強化材を用いる場合、積層することでFRPの強度は向上した。
木材とFRP間の接着力の不足により、FRPにより付加される強度を最大限発現できなかったが、ナラ材など樹種によっては総体的に軽量で強度の高い複合材となった。一方、FRPの片面積層では材に歪みが生じやすくなった。また、弾性率の高い木材を用いた複合材では、その複合材の比弾性は木材よりも低くなった。
研究報告書
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高齢者に配慮した生活用品の開発(第2報)

著者
宮川成門、木村公久
概要
高齢者の身体寸法に対してテーブル・椅子の高さが高すぎる場合の問題を解決する福祉用具の検討を行った。福祉施設用テーブル・椅子の寸法調査、高齢者の身体寸法調査、公共空間での使用状況調査の結果、同一テーブルに人が集まれる事をコンセプトに、テーブル面を基準高さとした座位姿勢調整用の補助椅子と足置き台の試作を行った。試作品の着座テストの結果、テーブルと椅子の差尺の改善、座位姿勢の改善を行うことができた。
研究報告書
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木製家具における伝統技術の解明 -曲げ木工程の指標化(第3報)-

著者
石原智佳
概要
家具製造工場における木材の高周波乾燥の工程で生じる木材内部の焦げを解消し、均質な製品を仕上げるために、最適な乾燥条件を見出すことを目的として、小型高周波加熱乾燥装置を用いて、高周波印加電力量や乾燥時間の設定条件を検討した。
(1)高周波乾燥の際の材への加熱効率は初期含水率、密度により異なることが明らかになった。
(2)材端部と中心部で高周波乾燥時の昇温傾向がばらつき、材内部の焦げの一因と考えられる。
(3)高周波乾燥過程における材の内部と表面部での温度上昇傾向が異なることが明らかになった。
研究報告書
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木質住環境の快適性に関する研究(第2報) 病室の室内環境が心理的に及ぼす影響評価

著者
西垣康広、伊藤国億、成瀬哲哉、藤巻吾朗、小川晴久、松井永子
概要
岐阜大学医学部附属病院の2つの病室を使用して、それらの病室の環境調査と人体への影響を心理指標(STAIの状態不安)から検証した。1室は調湿建材を内装に使用した病室(改修個室)であり、もう1室はそのままの病室(既存個室)である。
改修個室と既存個室の温度・湿度を測定した結果、温度・相対湿度共に類似した傾向を示したが、温度・相対湿度の変動幅は共に既存個室の方が大きいことがわかった。これは調湿建材の調湿機能が影響したためであると考えられる。
各個室におけるホルムアルデヒドとアセトアルデヒドの放散濃度は、厚生労働省が定める濃度指針値以下であった。室内環境が人に与える影響について心理指標(STAIの状態不安)により評価した結果、t検定による有意差は見られなかったが、既存個室にいる方が不安度が高くなる傾向が見られ、ヒノキを使用することにより不安度を抑制する傾向が見られた。
研究報告書
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木質住環境の快適性に関する研究(第3報) 実居住空間における木材の使用が人体に与える影響

著者
藤巻吾朗、成瀬哲哉、西垣康広、伊藤国億、小川晴久、松井永子
概要
実際の居住空間(病室)で室内空間に木材を使用することが人に与える心理的・生理的な影響を調査した。調査結果より、朝方および夕方の交感神経と副交感神経の活動が切り替わると考えられる時間帯で、木材を腰壁に使用した部屋は木材を使用していない部屋に比べて交感神経の活動が抑えられリラックスした状態であると考えられた。また、今回の実験では明らかになっていないが、室内環境に木材を使用することで睡眠にも良い影響を与える可能性があると考えられた。主観的な印象としては、木材を使用した部屋は、穏和で若々しい感じを与え、それが良い印象を与えていることが確認された。
研究報告書
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木質住環境の快適性に関する研究(第4報) 学校空気質測定

著者
西垣康広、伊藤国億
概要
岐阜県高山市内に建つ木造教室とコンクリート造教室の室内環境調査として空気質測定と温湿度測定を行い、木造教室とコンクリート造教室の違いが室内環境に与える影響について調査した。その結果、月毎の最高気温の平均値は、夏季ではコンクリート造教室の方が高くなり、冬季ではコンクリート造教室の方が低くなることがわかった。一方、月毎の最低気温の平均値は、冬季においてコンクリート造教室の方が低くなることがわかった。これは木材とコンクリートの断熱性能の違いが影響していると考えられる。また、相対湿度の月毎の平均値は、夏季においては顕著な差は見られなかったが、冬季においては木造教室よりもコンクリート造教室の方が高くなることがわかった。これは温度の影響を受けているためであると考えられる。
室内空気中のホルムアルデヒド放散濃度は8月が最も高く、気温に比例する傾向が見られたが、アセトアルデヒド放散濃度はほぼ一定であった。ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド放散濃度は、いずれも厚生労働省が定める濃度指針値以下であった。
研究報告書
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上肢支援型起立動作補助装置の開発(第4報) 起立補助椅子からの立ち上がりと肘掛け位置の関係

著者
坂東 直行、山田 宏尚、森田 啓之、田中 邦彦
概要
筆者らは、現在市販されている起立補助椅子では立ち上がりが困難なユーザであっても、立ち上がることができる起立補助椅子の実現を目標に研究を行っている。人は下肢の機能が低下したとき、上肢の力で機能を補って起立動作を行うことに着目すると、起立動作の負担軽減に肘掛けが役立つものと考えられる。そこで、肘掛けの可動機構を付加した起立補助椅子を開発している。
本報では、起立補助椅子からの立ち上がりにおける肘掛け位置の影響を評価するため、動作解析実験および筋骨格シミュレーションによる解析を行った。その結果、肘掛け位置の違いにより腰関節角度および腰関節トルクの変化に違いが見られたが、腰部筋が発揮する筋張力および筋パワーには違いがみられなかった。このことから、関節トルクが増加しても、副動筋との連携することで主動筋の負担は抑制され、ある部位の筋肉の負担が集中して増加するのを回避するようになっていると推察された。
研究報告書
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簡易残響室を用いた音響透過損失測定方法の確立

著者
木村公久、長谷川良一
概要
木製ドアの遮音性能を評価するため、小型の簡易残響室2室からなる音響特性評価装置を開発・導入した。本装置における音響透過損失測定データの信頼性を確認するため、市販の木製ドアを用いた測定実験を行い、そのデータとJIS認定機関にて実施した同試験体による試験結果と照合した。その結果、残響室容積が小さいことによる測定中心周波数範囲の制限は見られたが、1/3オクターブバンドで中心周波数500Hz~4000Hzにおいて、測定データの整合性を確認した。また、測定におけるデータの信頼性と再現性を高めるために、試験体の設置から測定方法までを詳細に記したマニュアルを作成した。
研究報告書
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体圧分布測定センサーを用いた製品評価

著者
成瀬哲哉、野呂影勇
研究報告書
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高齢者用肘掛の最適設計

著者
成瀬哲哉
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