研究開発

平成18年度研究概要

人間工学的手法による木製椅子の快適性評価と機能設計に関する研究(第14報) 椅子角度が足のむくみに与える影響

著者
安藤 敏弘、藤巻 吾朗、成瀬 哲哉、坂東 直行、堀部 哲
概要
むくみ予防を考慮した椅子設計の基礎的知見を得ることを目的とし、椅子角度が足のむくみに与える影響の大きさについて検討した。足のむくみにおける生理学的メカニズムのとおり、心臓からの高低差および椅子角度による圧力が足のむくみに影響を与えることを実験的に示すことができた。また与える影響の大きさを推測することができた。さらに座面角度が0度の条件に限定した場合ではあるが、高低差と大腿部裏側の圧力によるモデル化をすることができた。今後これらの結果を元に、足のむくみを考慮した椅子設計に活用していく予定である。
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人間工学的手法による木製椅子の快適性評価と機能設計に関する研究(第15報) 人体寸法を考慮した肘掛の最適位置

著者
成瀬 哲哉、安藤 敏弘、藤巻 吾朗、坂東 直行、堀部 哲
概要
木製椅子における肘掛の最適位置を検討するため、背角度が90、105、120度の3条件に関して、肘掛の高さを変え、肘頭を置く位置に関して前後左右位置測定を行った。
実験結果より肘掛高さは背もたれの後傾に伴い低くなるが、これは人が背もたれ角度が90度の場合の「上体と上腕の開き角度/位置関係」をほぼ保ちながら背もたれとともに後傾していることが要因であると考えられた。この考察を元に背もたれ形状を考慮した休息用試作椅子を用いて実証実験を行い、背もたれ角度が90度の場合(基本姿勢)から試作椅子の最適な肘掛位置を推測することが可能であった。
これらの結果より基本姿勢時の身体と上腕の開きの角度に注目することにより、作業用椅子と休息用椅子のような背もたれ角度や背もたれ形状が違う椅子に対しても肘掛位置を設定し応用できることがわかった。
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人間工学的手法による木製椅子の快適性評価と機能設計に関する研究(第16報) 休息用椅子において推奨される角度条件の検討

著者
藤巻 吾朗、安藤 敏弘、成瀬 哲哉、坂東 直行、堀部 哲
概要
本研究では、休息用椅子で推奨される座面高や角度条件について、下肢の血行動態、頚部の筋活動、身体の安定性(圧力中心の移動量)、主観評価による休息性といった面からの検討を行った。これらの評価項目をもとに総合的に判断した結果、背座角度は120度で、座面角度は0~5度、座面高と同じ程度の高さのフットレストを使用することが推奨された。また、首にかかる負担は上体の支え方(背もたれの形状)により軽減することが可能であると考えられたため、頚部の筋活動以外の項目で評価の高かった角度条件について上体の支持方法を検討し、今後はより休息性の高い推奨値の導出を行っていく。
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人間工学的手法による木製椅子の快適性評価と機能設計に関する研究(第17報) 休息用椅子における上体の支持方法の検討

著者
藤巻 吾朗、安藤 敏弘、成瀬 哲哉、坂東 直行、堀部 哲
概要
後傾姿勢(休息姿勢)をとった際に問題となる上体の支持方法について検討を行った。後傾姿勢では、前方視野を確保するために上体を起こす必要があり、そのため、首や肩に負担がかかりやすい。本研究では、その解決の一案として、上体を胸部から起こす支持方法について検討を進めた。その結果、休息性の高い角度条件(座面角15度、背座角120度)において、胸部では座面から約270mmの高さで10~12度程度の範囲で屈曲させることが望ましく、頭部では(頸部の負担軽減のための頭部支持に関しては)、座面からおよそ520mmの高さで屈曲させることが望ましいと考えられた。この際の屈曲角度の推奨範囲は求めなかったが、頸椎部での屈曲方向の関節可動域標準値が45度程度であることから、座位時では特に問題はないことが考えられた。また、最適な角度条件は用途に依存するため、今回行った実験をもとに、他の角度条件へ応用するための方法論についても検討を行った。
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障がい児の心身の発達成長を促す教具の開発

著者
木村 公久、関 範雄、長谷川 良一
概要
障がい児療育施設からのアイデアを基に開発を行ってきた教具の中より、ビー玉のいろいろな動きが子どもたちに人気のあったマーブルコースターと、感覚統合訓練において多くの施設で導入されているスイング系遊具であるスイングボードについて、モニタリング評価の結果から実用化に向けた機能およびデザインの改良を行った。
比較的好評であった他の開発品についても、より安全で楽しく遊ぶことができるように改良を行い、療育施設等への普及を目指した取り組みを行っている。
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環境・資源循環型リグニン素材の開発 健康系リグニン素材

著者
関 範雄、原 英彰
概要
タケから誘導・分離したリグノフェノールをカルボキシメチル(CM)化した。この水溶性CM化リグノフェノール誘導体(CM-LPD)は、小胞体ストレスによる細胞死(アポトーシス)に対して、高い抑制作用を示し、細胞に小胞体ストレスを与える虚血様環境下において、10μMの添加濃度でアポトーシスを90%以上抑制した。さらに、マウスの眼に小胞体ストレスを与え、CM-LPDを直接投与した結果、網膜神経節細胞数および網膜内網状層厚の減少を抑制し、網膜視神経細胞の保護効果が認められた。
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木材の光漂白に関する研究(第2報) 光変色材は光漂白可能か

著者
三井 勝也
概要
透過限界波長(λlimit)を有するシャープカットフィルターおよび中心波長(λ0)のバンドパスフィルターを用い、光変色材の光漂白を試みた。ヒノキの光変色材、ナラの光変色材ともに、シャープカットフィルターを用いた光照射によって、ΔL*の上昇、Δa*の低下が見られた。すなわち、赤みが減少し、明るさが増加したことから、光劣化材も光漂白できる可能性がある。一方、Δb*についてはλlimitが長波長のときに上昇した。また、バンドパスフィルターを用いた場合もλ0が300nmおよび600nmのときにΔb*は上昇した。これらのことから、光変色材は長波長の光照射によっても黄変が進み、これまでの黄変とは異なる機構によりΔb*が上昇したと考えられる。
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軟質木材の高度利用研究(第2報) ロール圧密による表層圧密木材の製造

著者
長谷川 良一、児玉 順一
概要
スギ材を代表とする軟質木材の諸物性を改善する方法の一つに圧縮加工がある。特に床材への利用を図るには表面性能の改善が要求される。そこで、ロール圧密による表層細胞を圧縮し、その後熱処理もしくは樹脂により圧縮層を固定化する表層圧密木材の製造方法と性能について検討した。その結果
(1)熱処理による圧縮層の固定は、圧縮量の増加に伴い衝撃によるへこみ量が減少し、かつバラツキが小さくなる傾向が確認された。圧縮量を3mmに設定することにより、オーク材とほぼ同等の耐衝撃性能が得られた。また摩耗性能の改善効果も著しかった。
(2)熱処理は、開放状態の簡易熱処理より密閉状態の熱処理の方が収縮膨潤の差が小さく、寸法安定性の高い固定方法であった。
(3)簡易もしくは密閉熱処理による固定化方法は、0.3mg/Lのホルムアルデヒドが検出されたが、F☆☆☆☆の範囲内であった。
(4)圧縮層を固定する樹脂として、フェノール樹脂、グリオキザール樹脂を用いることにより、目標としたホルムアルデヒド放散量が0.4mg/L以下、デュポン衝撃は落下高さ300mmでへこみ量0.6mm以下、ブリネル硬さが1.0kgf/mm2以上、テーバー摩耗の厚さ減少量が0.1mm以下の表層圧密木材を製造する条件が明確になった。
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木製品の資源循環利用に関する研究(第1報) 木製品製造業における廃棄物等の実態

著者
村田 明宏、長谷川 良一
概要
当県の木製品製造業においてどの程度資源循環を意識したモノづくりがなされているかを把握するため実態調査した。その結果、県内の木製品産業が使用する原材料は多種でありその産地は世界各地である。製品の歩留まりはほぼ60%であり仕入れた木材の40%が廃材として排出されており、その廃材の90%以上が熱エネルギーの形で利用されている。また、リデュースのためにどの企業も「端材の出ない木取り」を実施しており、端材についても再び集成して素材として用いるなどの取り組みがなされている。木製家具においては布地の張替えや、再塗装などリペア・リユースの件数が増加している。木粉-プラスチック複合材によるリサイクル利用については、価格面・性能面・廃棄面で問題がなければ利用を検討したいとする意見があった。各企業とも今後環境面に配慮したモノづくりが必要であることを認識しており、資源循環社会に向けた取り組みがなされている。
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木製品の資源循環利用に関する研究(第2報) 木材・プラスチック複合材の耐候性について

著者
今西 祐志、関 範雄、高橋 智佳
概要
ヒノキ木粉とポリプロピレンを複合した木材・プラスチック複合材の耐候性を検討するため、促進耐候性試験機を用いて促進劣化処理(水噴射あり)を行い、色および表面性状の変化を調べた。同時に、リグニンを紫外線吸収剤として利用する試みとしてクラフトリグニンの複合を行い、同様に耐候性を調べた。その結果、クラフトリグニン添加による材料の濃色化は白化を促進させると推察され、木粉の膨潤収縮によって生じたと考えられる微細な亀裂も白化の原因と推察された。
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木製品の資源循環利用に関する研究(第3報) 曲げ木の加工現場における現状

著者
高橋 智佳、長谷川 良一
概要
熟練工の経験と勘に基づき構築されてきた曲げ木技術の継承及び、改善のために、最適な加工条件を指標化することを目的として、曲げ木工程の現状を把握し、課題について検討した。
(1)曲げ時の折れ・座屈、乾燥に伴う焦げ・割れ、曲げ変形の戻り等の問題があった。
(2)蒸煮直後の含水率には材間で約3%の差があり、高周波乾燥後の含水率も大きくばらつき、乾燥不足が懸念された。
(3)乾燥後の材において、湿度変化に伴う含水率変化量が多いほど、曲げの戻りも大きかった。
(4)高周波乾燥により含水率約12%まで乾いた材の内部で焦げがみられた。
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上肢支援型起立動作補助装置の開発(第1報) 上肢支援型起立動作補助装置の開発

著者
坂東 直行、堀部 哲、山田 宏尚、森田 啓之、田中 邦彦
概要
筆者らは、現在市販されている起立補助椅子では立ち上がりが困難なユーザであっても、立ち上がることができる起立補助椅子の実現を目標に研究を行っている。人は下肢の機能が低下したとき、上肢の力で機能を補って起立動作を行うことに着目すると、起立動作の負担軽減に肘掛けが役立つものと考えられる。そこで、肘掛けの可動機構を付加した起立補助椅子を開発している。
まず本報では、肘掛けを使った起立動作の負担の程度を示す指標を見いだすことを目的に、関節モーメントに着目して有効性を検証した結果を報告する。肘掛けを異なる位置に配置して起立動作を行い関節モーメントを比較したところ、肘掛けの位置変化により変化するという結果を得た。これにより関節モーメントは起立動作における肘掛けの有効性を検証する指標になると考えられる。
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飛騨高山の家具製造業における職業教育に関するアンケート調査

著者
江原 学、藤井 義久、奥村 正悟、高田 秀樹
概要
飛騨高山地域の家具製造業(5社)の技能工を対象に、職業教育に関するアンケート調査を実施した(回答数は364)。アンケートでは、技能工の現在の職種、職業教育の履歴、技能レベルの自己評価や技能向上に対する意識などを調査した。就職前に職業教育を受けた人の割合は3割程度で、製造現場で必要となる技能は主にOJTで習得する傾向が見られた。また技能工は、自身の技能レベルが求められるレベルに達しており、かつ向上しつつあると感じている傾向がみられた。就職前の職業教育訓練には、基礎的な技能の修得に留まらず、自分の技能レベルに自信をもつことや技能とその向上の重要性の認識を高める効果が認められた。しかし、これらの訓練は現場で必要とされる技能の全てを授けるものではなく、実際には現場での職業教育訓練の重要性が高いことも示唆された。
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