研究開発

平成17年度研究概要

人間工学的手法による木製椅子の快適性評価と機能設計に関する研究(第7報) 重力、圧迫、関節角度が下肢の血行動態に与える影響

著者
安藤敏弘、藤巻吾朗、成瀬哲哉、坂東直行、堀部哲
概要
本研究ではDVT予防を考慮した椅子設計の基礎的知見を得ることを目的とし、重力、圧迫、関節角度の各要因が下肢の血行動態に与える影響の大きさについて検討した。
下肢の血行動態における生理学的メカニズムのとおり、重力および圧迫の影響では、deoxy-Hb量と血流速度に影響があり、関節角度の影響では、血流速度に影響があった。さらに各要因の影響の大きさを推測することが出来た。今後、これらの結果を元にDVT予防を考慮した椅子設計に活用していく予定である。
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人間工学的手法による木製椅子の快適性評価と機能設計に関する研究(第8報) 背もたれの最適な支持位置に関する検討

著者
藤巻吾朗、安藤敏弘、成瀬哲哉、坂東直行、堀部哲
概要
背もたれは椅子に座った時に上体を支え、姿勢を安定させるという役割がある。背もたれの形や位置が合わないことは、痛みや不快感が生じる原因となり、とりたい姿勢がとれない、長時間座れないという結果を招く恐れがある。本研究では、背もたれ設計の際に重要となる支持位置の最適値を求めることを目的とし、背もたれの角度や大きさ、支持位置が座り心地に与える影響について調査した。その結果、背もたれ支持位置の評価には様々な要因が複雑に影響しており、最適な支持位置は背もたれ角度や身体の大きさなどに応じて異なることが確認された。そのため、支持位置の最適値は条件に応じて無数に存在するものの、木製椅子設計の参考資料として、背もたれの角度や身体の大きさの違う様々な条件での最適な支持位置を求めた。本研究より得られた知見は椅子の背もたれ設計の際に参考となるものであり、座り心地の良い椅子を開発する上での手助けとなると考えられる。
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人間工学的手法による木製椅子の快適性評価と機能設計に関する研究(第9報) 背もたれの支持面形状の提案

著者
藤巻吾朗、安藤敏弘、成瀬哲哉、坂東直行、堀部哲
概要
現在、椅子の開発において参考とされているプロトタイプは、1960年代に行われた研究をもとにしており、当時と現代の日本人の体格差を考慮すると再検討する必要があると考えられた。プロトタイプの提案にあたっては、座面高や座面奥行きなど、座面に関する知見は得られているものの、背もたれの支持面形状に関しては課題が残されていた。そこで本研究では、ダイニングチェアにとって最適だと考えられる背座角度での背もたれ支持面形状について検討し、得られた知見をもとにダイニングチェアにおける新たな基準として、プロトタイプの提案を行った。提案されたプロトタイプは、大きく分けてローバックタイプとハイバックタイプの2種類であった。ローバックタイプについては、多くの人が不快を感じない形状であり、座り心地を保証する上で重要な意味を持つものであると考えられた。ハイバックタイプについては、人による好みの差が大きく、まだ検討の余地が残されているものの、個人の好みや用途に応じて複数のプロトタイプから選択することで様々な状況に対応することが可能となると考えられた。提案されたプロトタイプが、今後の椅子開発において新たな基準となることが望まれる。
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人間工学的手法による木製椅子の快適性評価と機能設計に関する研究(第10報) 座面構成と心理量の関係

著者
成瀬哲哉、安藤敏弘、藤巻吾朗、坂東直行、堀部哲
概要
座面の構成と心理量の関係を明らかにするため、様々な実験座面を製作し官能評価を行った。官能評価の結果を、座面構造の心理的効果を表す項目「硬い感じ」「フィットする感じ」「不安定な感じ」の3つに絞り、この3つの項目を用いて39種類の座面構造を10種類に分類することができた。また、「座り心地」に関しては、身体特徴別に嫌う座面構造の特徴を抽出することができた。
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人間工学的手法による木製椅子の快適性評価と機能設計に関する研究(第11報) 座面の物理特性と心理量の関係

著者
成瀬哲哉、安藤敏弘、藤巻吾朗、坂東直行、堀部哲
概要
座面構造と心理量の関係を明らかにするため、様々な実験座面を製作し官能評価を行った。座面の特徴を物理特性として捉えるため、座面の荷重-沈み込み特性を測定しヒステリシス-ロス率、沈み込み量を算出し官能評価とあわせて分析することによりヒステリシス-ロス率が30~50%付近、沈み込み量が20~30mm付近の物理特性を持つ座面の評価が低いことが明らかになった。また、座面を「硬い感じ」、「フィットする感じ」、「不安定な感じ」の3項目で分析することにより座面の物理特性と心理量の関係を明らかにすることが出来た。
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人間工学的手法による木製椅子の快適性評価と機能設計に関する研究(第12報) クッションの特性解析とモデル化

著者
坂東直行、安藤敏弘、成瀬哲哉、藤巻吾朗、堀部哲
概要
本研究では、椅子座面に用いられるウレタン積層構造のヒステリシス特性を推定する仕組みを構築した。まず、ウレタンのヒステリシス特性が影響を受けるウレタンの物理特性を調査した。その結果、ウレタンの素材がヒステリシス特性に大きく影響することが分かった。次に、ウレタンの素材ごとのヒステリシス特性のモデル化を行った。このモデルを用いて推定したウレタン積層構造のヒステリシス特性と測定した特性を比較し、モデル化および推定方法が妥当であることを示した。最後に、このモデルを用いて、ウレタン積層構造のヒステリシス特性を推定することができるソフトウェアを構築した。本研究のソフトウェアと座面の座り心地がヒステリシス特性とどのような関係を持つのかを調査した、既報の「座面の個性に関する検討物理特性と心理量の関係」により、椅子座面製作者は自分がつくりたい印象を使用者に提示するための座面構成を知り、作成することができる。
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人間工学的手法による木製椅子の快適性評価と機能設計に関する研究(第13報) 休息用椅子の評価構造

著者
藤巻吾朗、安藤敏弘、成瀬哲哉、坂東直行、堀部哲
概要
今後、休息用椅子に関する研究を行うにあたり、休息用椅子に求められる機能や人がどのような観点から休息用椅子を評価しているのかを把握するため、予備的な調査を行った。聞き取り調査により、休息用椅子に求められる機能や評価の際に重要視される点について明らかにすることができた。また、休息用椅子に求める機能については、大きく分けて2つの傾向がみられ、身体を自由に動かせることを重視する人と、身体をしっかりと支え安定感があることを重視する人がいることが確認された。作成された評価構造モデルについては、休息用椅子の座り心地をよくするためには、具体的に椅子のどこをどうすれば良いかを把握することが可能となり、開発の際には参考となると考えられた。
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障がい児の心身の発達成長を促す教具の開発(第2報) 木製教具の試作

著者
宮川成門、木村公久
概要
療育施設調査で得た情報をもとに、障がい児療育に必要とされる教具の試作提案を行った。試作品は、施設からのアイデアを参考にした『ロッキングシーソー(スイング系)』『スプリングサンド(トランポリン系)』『マーブルコースター(ビー玉転がし系)』と、我々が施設を見ていく中で発想した『ボウリングゲーム』『スイングボード』『スプリングボード(トランポリン系)』の計6点である。機能的には、施設からの紹介が多かった目と手をつかう指導と、身体全体への感覚刺激をあたえる指導を目的としたものとした。
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障がい児の心身の発達成長を促す教具の開発(第3報) 試作教具の評価

著者
木村公久、宮川成門
概要
障がい児療育施設からのアイデアをもとに試作したロッキングシーソー、スプリングサンド、マーブルコースターの3点について、機能的評価や療育現場で今後利用していく上での問題点を把握するため、施設における保育や訓練に試作品を導入してもらい、子供たちの反応やセラピストと保育士から得た感想から総合的評価を受けた。
ビー玉転がし系のマーブルコースターでは、子どもたちが集中して玉の動きを目で追って楽しんでいた。またロッキングシーソーとスプリングサンドは、全身への揺れや振動刺激を容易に導入できるということで、職員から好評であった。
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環境・資源循環型リグニン系素材の開発環境系リグニン素材

著者
関範雄
概要
環境に適応した機能を有するリグニン系高吸水性樹脂を環境系リグニン素材として、現在パルプ製造工業から排出されているクラフトリグニン(KL)を用いた吸水性樹脂の工業的製造方法およびその実用的な吸水特性について検討した。従来の少量の吸水樹脂合成方法では、KLベースの吸水性樹脂を合成することができたが、その吸水特性は低く、CM化KLを用いた吸水性樹脂の吸水倍率で約50倍であった。さらに工業的製造を意図した合成方法で得られる樹脂は、乾燥過程の加熱乾燥により樹脂の架橋構造内に形成される吸水部位(空隙)が潰され、架橋剤の種類に関係なく吸水特性が消失した。一方、工業的製造を意図した合成方法では、KL-カルボキシメチルセルロース(CMC)共架橋吸水樹脂の合成が可能であり、吸水倍率約500倍の吸水特性を発現し、実用性能を満たした。KLを用いた場合、KL単体で架橋した高吸水性樹脂を工業的に製造することは難しく、CMCなどの異種素材との複合が必要であった。
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木材の光漂白に関する研究(第1報) 波長の影響

著者
三井勝也
概要
透過限界波長(λlimit)を有するフィルターを用い、木材8樹種(スギ心辺材、ヒノキ、ブナ、ナラ、タモ、ハリギリ、クリおよびカバ)に光照射を行い、木材の光漂白の可能性について検討した。ブナを除くすべての樹種でλlimitが400nm付近でΔL*は負から正へ反転した。Δa*についてはブナを除くすべての樹種においてλlimitが400nm付近で正から負に反転した。Δb*についてはブナ、ハリギリ、カバ、スギ辺材においてλlimitが400nm付近で正から負に反転した。照射時間については、照射時間が長いほど、大きな変化を示した。これらの結果は、木材は光によって漂白ができることを示唆した。
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軟質木材の高度利用研究(第1報) 積層圧縮技術を利用した接合部の強度性能

著者
長谷川良一
概要
既存の接合部の強度および軟質材の強度性能を向上するために、単板の積層接着と横圧縮技術を利用した接合部の製造方法および性能について検討した。また、その接合部の応用として、3次元形状の曲げ加工を行った。その結果(1)既存の方法によるホゾ、ダボ接合では、初期剛性に大きな差は見られないものの、最大荷重においては、ホゾ接合はダボ接合よりも大きな値を示した。
(2)スギを用いた木質T字型接合は、薄板の積層数を増やし、かつ圧縮率を大きくする製造は可能であった。その接合強度は、積層数の増加とともに、初期剛性が増し、かつ最大荷重も増加した。
(3)木質T字型接合の3プライ積層におけるヒノキとアカマツは、ほぼ同様な荷重変位曲線が得られ、初期剛性もほぼ同じであった。
(4)スギを用いた鳥の羽型の3次元形状のT字型接合部材は、重量、形状変化とも少なく安定した接合部であった。
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木質住環境における室内空気質の快適化研究(第2報) 在来木造住宅の室内空気質

著者
村田明宏、鈴木崇稔
概要
厚生労働省が暫定基準として提示した揮発性有機化合物総量規制(以下TVOC)の中には木材由来成分であるα-ピネンなど木材由来成分が含まれている。実際の木造住宅内においてこれらの成分がどの程度放散されどのように減衰していくのかを、県産木材多用住宅である「みどりの健康住宅」の測定により検証した。その結果、6年経過後でも依然としてテルペン類の放散量は多く、特にα-ピネンと言ったモノテルペンが多く検出された。一方、酢酸などの分解物質の生成が確認されるとともに、ホルムアルデヒドなどの有毒なアルデヒド類はかなり低減化しておりわずかしか検出されなかった。住宅内の木材由来成分の気中濃度は室内を構成する使用材料に左右されるが、6年経過後でもモノテルペン類は放散されており、地域産材を多用した木造住宅では長期に渡って「木の香り」によるリラクゼーション効果などが期待できる。
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