研究開発

平成16年度研究概要

人間工学的手法による木製椅子の快適性評価と機能設計に関する研究(第1報) 椅子角度が下肢の血行動態に与える影響

著者
安藤敏弘、成瀬哲哉、坂東直行、堀部哲
概要
深部静脈血栓症(deepvainthrombosis:DVT)予防を考慮した椅子設計の基礎的知見を得ることを目的とし、椅子角度が下肢の血行動態に与える影響について検討した。今回の実験より、一般的な座位姿勢に近いと考えられる屈曲位(足90度、背90度)では、DVTのリスクファクタである静脈血流の停滞を誘発しやすい条件にあることがわかった。また、DVT予防の観点からは、リクライニングチェアやオットマン、さらに各種乗物におけるフットレストの有用性を示すことができたと考える。
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人間工学的手法による木製椅子の快適性評価と機能設計に関する研究(第2報) 椅子のサイズ実験2

著者
安藤敏弘、成瀬哲哉、坂東直行、堀部哲
概要
平成15年度実験では、椅子サイズの設計指針を導出することを目的とし、サイズの異なる椅子を製作し、被験者の体にあった椅子を選択してもらう官能評価実験を行った。しかし被験者の体にあったサイズを被験者が自ら選択する選択率は約56%という低い結果だった。そこで選択率の向上を目的とし、サイズごとの椅子寸法の設定を再検討し官能評価実験を行った。今回の実験より、選択率は昨年度の約56%より向上し約69%となった。また今回の結果を元に更に選択率を向上させることはできると予想される。しかし背もたれ下端高さの設定にはまだ問題があり、今後の課題として挙げられた。
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人間工学的手法による木製椅子の快適性評価と機能設計に関する研究(第3報) 筋電図と主観評価を用いた差尺許容範囲の検討

著者
安藤敏弘、成瀬哲哉、坂東直行、堀部哲
概要
テーブル使用時の人の生理的負担と主観評価から差尺の許容範囲を明らかにし、それに基づくテーブル高の算出ならびに提案することを目的として実験を行った。今回の実験より、食事作業、PC作業、新聞作業のすべて作業を同一のテーブルで行う場合、差尺250~280mmが適当だと推察された。さらに、椅子S(座面高:345mm)、M(座面高:375mm)サイズが共存する場合、テーブル高さ625mmが、椅子M、L(座面高:405mm)サイズが共存する場合、テーブル高さ655mmが適当だと推察された。
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人間工学的手法による木製椅子の快適性評価と機能設計に関する研究(第4報) 体格とクッション硬さの関係

著者
成瀬哲哉、安藤敏弘、坂東直行、堀部哲
概要
平成15年度「クッションの座り心地実験」では体格と選択されるクッションの関係に関して実験を行った。被験者の体格分類にはBMI(体格指数)を用いたがBMIのみの体格分類では実際の体型を現すには不十分と考え体脂肪率を追加した。また昨年度の実験では被験者にとって最も心地よいクッションのみの評価であったが、今実験ではすべてのクッションに関して官能評価を行うことによって、体格とクッションの関係を求めることを目的とし官能評価実験を行った。BMIによる体格分類ではBMI値が大きい人は硬いクッションを好む傾向があること、体脂脂肪率による分類では体脂肪率が高い人ほど柔らかいクッションを好む傾向があると推察された。
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人間工学的手法による木製椅子の快適性評価と機能設計に関する研究(第5報) 座面の改良による座り心地の向上

著者
成瀬哲哉、安藤敏弘、坂東直行、堀部哲
概要
木製椅子の座り心地を向上させるために座面構造に着目した。木製椅子には座面の底板(合板)に穴を開け、【抜き】を設けた構造のものがある。今回は座り心地の向上を図るためこの【抜き】の幅と位置を改良した座面を用い官能評価を行った。その結果、座面の抜きの位置を坐骨結節部と一致させるという簡易な方法で座り心地が向上することがわかった。
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人間工学的手法による木製椅子の快適性評価と機能設計に関する研究(第6報) 作業椅子に適した背座角度に関して

著者
成瀬哲哉、安藤敏弘、坂東直行、堀部哲
概要
作業椅子の座角度/背角度と作業姿勢の関係に注目し、椅子の座角度/背角度を変えて、着座/筆記作業/キーボード入力作業に関して官能評価実験を行った。その結果、座角度は0~-5°、背角度は95~105°の範囲が作業椅子の条件として適していることがわかった。また、実際の作業に着目した場合、筆記作業やキーボード入力作業は2.5°の前傾座面も作業性の評価が高かった。
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環境・資源循環型リグニン系素材の開発

著者
関範雄、鈴木崇稔
概要
資源循環型社会に対応した素材を天然物からその循環機能を活用して私たちの生活シーンに取り入れるため、植物成分リグニンを環境や健康分野で役立つ新しい素材として注目し、開発を行っている。リグニンの環境分野での利用開発では、リグニンが植物成分から森林土壌成分へと循環・変化する性質を活用した。ここでは植物からパルプを取り出す過程で廃棄されているリグニンを吸水性の高い素材にすることが可能になった。リグニンの健康分野での利用開発では、リグニンが植物成分から他の生物体内で働く物質へと変化する性質を活用した。ここでは植物から直接リグノフェノールと呼ばれるリグニンとして取り出し、さらに水溶性を高めることによって動物の細胞死を抑制する効果を見出した。
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木質住環境における室内空気質の快適化研究

著者
村田明宏、鈴木崇稔
概要
県内産建築用木材からどのような揮発性有機化合物が出て、どのように減衰していくのかをスモールチャンバー法を用いて測定した。また、県内産木材を多用して建築されたモデル住宅『みどりの健康住宅』について、建築4年経過後の室内空気質中の木材由来成分の放散濃度を住環境測定した。その結果、木材からの放散はおよそ1ヶ月以内に1/10以下に減衰するが、TVOC値としては基準値を超えているものが多かった。また、ヒノキの10年経過材ではその放散量は微量であったが、プレーナーで表面研削すると新材に近い放散を示した。住環境測定では建築後4年経過しているにもかかわらず木材由来のα-ピネンについて高い放散濃度を示した。なお、本研究の一部は遠藤斉次郎科学技術研究助成により実施した。
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光-熱処理に着色システムの企業化研究

著者
三井勝也
概要
光照射-熱処理による木材の着色方法を実用化するために、縦型UV照射装置を用い、いすおよび部材に光照射を行い、着色を試みた。それぞれ同じ条件で光照射を行った場合、組み立てられたいすにではなく、部材に対し処理を行った方が、材色変化は大きかった。また、組み立て品への光照射の場合、割れなどの欠点が発生したが、部材に対する光照射では、割れなどの欠点は認められなかった。また、光照射後の熱処理により、部材で光照射を行った試験体については、損傷が見られなかったものの、組み立て品に対し光照射を行ったものは、割れの進行が見られた。
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ロールプレスを用いたスギ表層圧密木材の製造

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障がい児の心身の発達成長を促す教具の開発(第1報)

著者
宮川成門、木村公久、堀部哲
概要
心身障がい児の療育に必要とされている教具について把握するために、療育施設を訪問し、調査を行った。療育施設の教具は市販品だけでなく、スタッフの工夫による手作り品も多く、療育に必要とされる機能や子供が興味を持つ機能、また子供が集中しやすい環境作りについて把握することができた。視察した教具は、『聞く、見る、触る力を養う』『手の巧緻性を養う』『認知力を養う』『身体能力を養う』『その他(家具類の機能)』の機能に分類し、今後開発する教具機能の基礎情報としてまとめた。
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快適居住空間を創製する機能性木質材料の研究-防汚木質材料の開発-

著者
長谷川良一、村田明宏
概要
汚れにくい木材表面の特性を明らかにし、防汚性を向上させる表面処理技術法について検討した。そこで我々は、表面を親水化することで濡れやすくし、水の介在により付着した汚染物質を洗い流すため、空気中プラズマ(コロナ放電)処理により木材表面を親水化し、汚染試験を実施した。その結果、木材及び塗装表面は、疎水性汚染質(CB)に対しては、プラズマ処理により表面の低汚染化が確認された。親水性汚染質(色素)に対しては、一部浸透してしまった汚染質は除去できない場合も見られた。プラズマ処理表面の持続性を確認するために、屋外暴露を実施したが、ミクロな部分での塗膜の劣化により、親水表面の効果が明確に確認することはできなかった。

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